「ハイダイナミックレンジイメージング(high dynamic range imaging)」というのが正しい名称らしいですが、記録出来る範囲を超えるコントラストの比率を圧縮調整し、出来るだけ適正に画像記録出来るよう補正する技術のことですね。
因みに、最近目にすることの多いHDRを謳った絵画的な写真。
まぁこれもHDRの効能には違いないのですが、度が過ぎた効果が面白いというので流行っているんでしょうね。自分でもたまにやってみちゃったりしますけどw
しかしこれは元来的な使い方ではないですし、もしHDRとはこういう物なのだと勘違いされておられる方は、これを機会に認識を改めましょう。
ハイダイナミックレンジへの対応には各社のアプローチも盛んな昨今で、イメージセンサーの性能向上もこの点においては顕著です。
また、当初はデジイチ特権とも言えたHDR補正機能も、最近ではコンデジでも当たり前に搭載して来つつあるし、HDR処理を行える安価なソフトウェアも続々登場してきており、手軽に誰にでも鮮やかな写真が楽しめる良い時代になったものです。
思えば、画質の向上とは少々無縁の高画素化ばかりに走っていた数年前と違い、特に今が、最新機種を手にすることの意義が大きい時期だとも思いますね。
さて、このHDR補正機能というのは、強い光源下などでのコントラスト比の大きいシーンにおいて、明部、暗部共にしっかり描写したい場合に効果を発揮するものですが、ただこれにも善し悪しというのもありまして、全体的に満遍ない発色が得られる代償として、コントラストが弱まるためにのんめりしたような絵になり、メリハリに欠けた大人しい印象を与えがちでもあります。
また、オリジナルデータそのものが補正されてしまうので、想定する仕上げ方として効果的なのかどうかをしっかり判断した上で使用したいところです。
その点を考えると、元来的な手法である露出違いの写真を複数枚撮影して合成する方法が理に適っている部分もあります。
(出来れば)三脚撮影で露出の異なった写真を連写し、それをソフトウェアで合成する...という一連の手間はありますが、任意にバランスを調整出来るので狙い通りの仕上がりが得やすいのは大きな利点です。
ただ複数枚の撮影が必要なので、固定されたオブジェや風景などであれば良いですが、動く物に対しては使えない技なんですよね...
まぁこの辺の一長一短を考えて、巧く使い分けて撮影すべきと言うことデス。
変なサンプルでスンマセンが...これがノーマルの写真。 |
アクティブD-ライティング(オート)で撮影。 |
![]() |
ノーマル、オーバー、アンダーの3枚をソフト(HDR Darkroom Pro)を使ってちょっと強めに加工。 |
因みにNikon D90だと、ブラケッティングの設定でアクティブD-ライティング(HDR補正機能)のオン/オフとしても(WB、フラッシュでも)利用出来るので結構便利なのですが、Sony NEXシリーズでは露出差でしか出来ないのがちょっと残念です。
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