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2012年12月14日金曜日

ふたご座流星群、結構活発なようです。

このところいきなりの大雪にてんてこ舞いな我が地方ですが、昨晩は天気予報とは裏腹にカラッと晴れ上がってくれたもので、仕事を終えてから数時間ほどでしたが、寒空の中ふたご座流星群を軽く堪能して参りました。


昨年は明るい月があったせいで小さな流星は認識しにくかったのですが、それでもかなり活発な様子が窺えました。
今年は幸いにも新月の頃合いというのもあって細かい流星が飛び交っている様子もハッキリ窺えるので、例年以上に活発そうな雰囲気が感じられます。
昨晩の状況ですが、10分も見上げていれば明るめのものが5〜6本かそれ以上見れる感じで、タイミングによっては同時に複数流れたり、ものの数秒間に3〜4本見られたりもします。
明るい大きな火球はちょっと少なめですが、それでも昨晩、流星痕を残す規模の火球を2本ほど目にすることが出来ました。

とりあえず昨晩の1枚。一度に二本撮れましたが、かに座(プレセペ星団)を串刺しにしてますね。

ピークはいよいよ本日夜8時頃との予報ですが、今日もまた天気予報が外れて晴天が広がっている様子なので、これからちょっと出掛けてみようかと思ってます。

観望の条件が良ければ2〜3時間で100本近くは見れる感じなので、今宵もし晴れている様子であれば是非夜空を眺めて見て下さい。

2012年11月4日日曜日

マルチインターバルタイマリモコンでもっと長時間インターバルを実現する改造

多彩なカメラに対応し、特にミラーレス機愛用者には御用達とも言える便利ツール、マルチインターバルタイマリモコン (以下「MITR2」と記載)ですが、使い勝手を考えながらいろいろ改造して使用しておられる方も多いようですね。
もちろんウチでもスタンダードに発光部をアームで伸ばしてみたり、装着しやすいように工夫してたりしますが、他では見掛けない加工もしているのでちょっと紹介してみたいと思います。



このアイテムは1〜10秒まで1秒刻み、15〜40秒まで5秒刻みの16段階でインターバルを設定できる赤外線レリーズリモコンですが、残念なことにそれ以上の秒数に設定することが出来ないので、分単位で露光したい星空撮影にはちょっと使い物にはならないんですよね...
そこでウチでは、別のインターバルタイマーリモコンで制御することでより長時間露光が出来るよう改造して使用してます。

見た目はちょっと無骨ですが、発光部はアーム状にし、クランプでカメラ脇などにも固定可能。そして白い箱からケーブルが伸びて別のインターバルタイマーリモコンに接続!?

この改造も理屈は簡単で、接続したリモコンから電源のON/OFFを制御しているだけです。なのでタイマー動作でも手動でレリーズボタンを押してももちろん制御可能です。
改造は、スイッチを噛ませている基板の裏からでもリード線をひっぱって、リモコン側のレリーズONで短絡する2本に接続されるように加工すれば良いだけです。



リモコン側には3本の線がありますが、全押し、半押し、グランドという構成で、レリーズボタン及びタイマーによって短絡(いくらか抵抗が出ます)するようになってます。
どれがどの線かはテスターで測れば分かりますが、もちろん接続するのは全押しとグランドですので、半押しでは短絡せず全押しのみで短絡する組み合わせを探してください。
もし半押しに繋ぐとタイマー動作の際1〜2秒ほど早くリモコン発信されてしまいます。

ちょっと汚いですが...改造済みリモコンの内部写真。構造はモノによって多少違うようですが、元々はこの3端子からラインが伸びています。
ウチでは、用途に応じて単体でも使えるようリモコン脱着可能なようにモジュラー仕様に改造してますが、CANON RS-60E3/PENTAX CS-205互換インターバルタイマーリモコンなら接続端子がオーディオ用マイクロステレオプラグなので、ジャックや変換ケーブルなども容易に入手出来ますし、リモコン側は無加工で使用することも可能です。
その他のモノは特殊なプラグ形状なんで対策もちょっと面倒臭いし、どうせ流用も出来なくなってしまうので、ハナから専用にRS-60E3/CS-205互換リモコンを入手した方が早いかもですね。


操作についてですが、赤外線リモコンの発信(というか電源)を制御するという関係上リモコンのインターバル設定方法は少々特殊になります。
まず基本的にはMITR2の設定を「0」(1秒)の状態に合わせ、スイッチは切っておきます。リモコン側で露光時間を1秒、またはもし連写したい場合は2秒に設定し、インターバル時間で必要な露光時間を設定することになります。

※誤差によってMITR2が早めに動作してしまい巧く連写できない場合もあるかも知れませんが、その場合はMITR2の設定を「1」(2秒)、リモコンの露光時間を3秒にすれば回避できると思います。

要するに露光時間を長く設定するとその間、MITR2が電源ON状態となるので、MITR2側の設定に従った通常動作を繰り返すワケです。
これを巧く複合的に利用すれば、例えば1分インターバルでのブラケット3連写(1秒間隔)みたいなことも可能です。

2012年11月3日土曜日

夜間のレンズ曇り対策

夜の冷え込みも厳しくなり、結露しやすい季節になりました。
ウチの辺りは湿度の高い地域というのもあり、暖かい季節でも野外での夜間撮影ではレンズ面への結露の懸念が絶えなかったりするのですが、どんな地域でも寒くなるにつれて結露もしやすくなるので対策は必要ですよね。
そんなワケで今日は、結露によるレンズ曇り対策方法について綴ってみます。


結露というのは、低温の物体に触れた空気が冷やされることで空気中の水分が凝縮され水滴となって付着する現象ですが、外気温よりわずかでもその物体の温度を高く維持出来れば結露は防止できます。

さてどうやってレンズを保温するか?ですが、天体専門店などで望遠鏡やカメラレンズにも対応出来る巻き付け式ヒーターも販売されていますが、簡単な材料で自作できるような代物だけに、少々ぼったくり気味な価格だったりするのがどうも許せないところで。。。
自作については後述するとして、先ずは手っ取り早く、巷に転がっている安価なアイテムを使った対応方法から。


【手軽な充電式カイロ】

個人的に最も手軽で手っ取り早いと思うのが、USB充電式カイロをレンズに縛り付ける方法です。
いろんな形状のモノがありますが、なるべく小振りで細めの板状のものがベターで、大振りのレンズなら下部に縛り付けるだけで十分な効果を発揮してくれます。
触ると結構温かく感じますが、発熱量は40℃程度と適度な感じです。
安いモノで1000円くらいからありますが、一般的なモノで少なくとも1.5〜2時間程度は動作しますし、最近ではより長時間動作可能な大容量の商品も出回っているようです。
小型のモノでiPod nanoくらいのサイズです。
縛り付け方法については保温性の高いモノで巻き付けるのがベターですが、発熱量も十分に高いのであまり神経質になる必要はないです。大概専用ケースが付属してきますので、それにゴム紐やマジックバンドなどを縫い付けたりしておけば容易に脱着も可能です。
因みにウチでは、近所の百均で見つけた腕に巻きつけるケータイホルダーを活用してますが、サイズもちょうど良い上に発泡素材で保温性も良好だし、中身(カイロ)も簡単に交換できるのでかなり重宝します。
ケータイホルダーを巻き付けてみた。間違ってケータイやiPod入れても温まりませんよw


【実は専用アイテム?ドリンクウォーマー】

巻き付け式のUSBドリンクウォーマー なるモノがありますが、大きめのレンズには打って付けの保温ツールで、ここまで理想的な形状だとレンズ用ヒーターとして作られたものではないか?とも思えるくらいな、ヒジョーに重宝する便利アイテムです。

発熱量は公称値38℃と謳ってますが、所有のモノを実測してみると最も高温の部分で43〜4℃まで上がるようで、USBモバイル電源(eneloop 2本)で1.5時間程度は動作するようです。
長時間使用の際はバッテリーに工夫しても良いですが、冷めたら電池交換で手軽に対応可能なので、eneloopを何本か用意しておいてチョコチョコ交換して使う方がずっと合理的だと個人的には思います。
AT-X 116 Pro DX Ⅱに巻き付けるとピッタリ。口径80mmくらいまで対応出来そうです。


【小型レンズには自作ヒーター】

大振りなレンズには上記のような方法で対応出来ますが、薄型レンズなどには大きすぎて巧く取り付けにくいので、ここはやはり出来るだけ安価に済ませるためにもヒーターを自作して対応しましょう。

巷でもいろんな方が自作ヒーターを紹介されておられますが、一晩中持つような12V仕様のヒーターばかりみたいですね。
個人的には上記アイテムとも合理的に併用できるよう、USBモバイル電源(5V)仕様の省電力ヒーターを自作して使用してます。
全貌はこんな感じの代物。電源は百均のUSB電池BOXでもOK。中身は別途用意しましょうね。
製作に使用したモノはニクロム線(φ0.26mm)と熱収縮チューブ(ニクロム線を絶縁するための極細のものと、USBケーブルまで収まる太めのものを2種用意)、USBケーブルをぶった切った片割れ(Aタイプコネクタ)、あとレンズに巻き付ける際の取り回しを考えて圧着式の小さなコネクターで切り離せるようにしてあります。
ここではニクロム線絶縁に収縮チューブを使用しましたが、1φ以下の細いシリコンガラスチューブがあればその方が電熱線らしくなって格好良いかもです。

狙いは人肌程度の熱量から40℃未満を想定。しかし、5Vでどれくらいの長さにすればその発熱量が得られるのかさっぱり...で、ちょっと調べてみると400mAでヒーターをこしらえている例があったので、それくらいがちょうど良いのかなぁ?と安易に思いつつ抵抗値を算出。
5V÷0.4A=12.5Ωってことかぁ?
買ってきたニクロム線の抵抗を実測してみると、1mで約24Ω(いくらか誤差があると思います)。ってことは半分程の50cm強で良いじゃないか?ってことで55cmほどでカット。
これで実際に5V通して温度を計測してみたところ、35〜6℃とまさに狙い通りだったので万事OK!!
動作時間は、約10℃の環境下でeneloop 2本で3時間ほどと結構持ちは良いです。1〜2℃の違いでも結構持ちは変わってくる感じですね。

因みにこれでNEXの標準レンズに3周弱の長さですが、もっと長めが良ければもう少し太いニクロム線を使えば抵抗値も下がるので長さが稼げるでしょう。
NEXのフィッシュアイコンバーターにマジックバンドで巻き付けてみた。
加工にはちょっと注意が必要ですが、まず、USBケーブルの構造はどれも一緒のようで、1ピン(赤いリード線)が5V、4ピン(黒いリード線)がグランドになっているのでこの2本を使用します。緑と白のリード線、シールドは短絡しないよう段差に切って逃がしておきましょう。
結局は抵抗を噛ませるだけの簡単な工作なので、極性は気にする必要なしデス。
あと困ったことにニクロム線にはハンダが乗らないので、リード線との接触部分を長めに取りつつ念入りによく捩り、リード線にハンダをたっぷり乗せてしっかりと固定しましょう。


これで冬場の夜間撮影もバッチシです!!
あとは自分自身の保温も忘れずに。

2012年10月22日月曜日

流星ミサイル!?

流星ネタが続きますが、今週末は天候にも恵まれたので、三夜連続で月の沈んだ深夜から朝方にかけてオリオン座流星群の観望&撮影を楽しんできました。

21日(日)の日中にピークが予想されてましたが、土、日の夜(翌午前)は今ひとつ目立つ流星が少なく、むしろ金曜の晩(土曜の午前)が一番賑わっていた感じで、かなりの火球も見ることが出来ました。
その代わりというか、他の散在流星群も結構活発的であちらこちらから大小の流星が飛び交っておりまして、ちょっと活動が渋めのオリオン座群ながらもいろんな流星群のフォローで観望はそこそこ楽しめる週末ではありました。

というワケで、19日早朝の大火球の写真でも上げておきますか。
自宅に仕掛けておいたD40での撮影です。

南天に流れ落ちる流星群。73枚(約20分)比較明合成してみました。
流星痕もクッキリ残っていたので、その様子を動画にしてみました。
しかしこのあと雲が出てきてしまい、痕跡が消えるまで捕らえきることが適いませんでしたが...

動画にするとミサイルみたいですねw
流星痕がどういうワケかブタのしっぽのように丸くなったのも不思議です。

あとついでに、またしても遊び半分にコンデジでも撮っていたところこの大物を捕らえてしまいまして、それも一応上げておきましょう。
コンデジで捕らえた写真。近所の農道にて撮影。ノイズ、色味処理してます。
並の流星だとノイズに負けてなかなかハッキリ写ってくれませんが、これくらいの大火球ならコンデジでもバッチシです!

オリオン座流星群ももうしばらく活発な活動が続きますし、前述のように他の流星群も結構流れまくっているので、月末に掛けて月も太ってきますが、明るい火球も多いので晴天の夜空が望めるようならじっくり空を見上げてみてはいかがでしょうか?

2012年10月12日金曜日

りゅう座流星群にスカされ〜ボツ写真の活用

快晴とまでは行きませんでしたが、8日、9日とそこそこの好天に恵まれたので、今年も活発な活動があるのでは?と期待されていたりゅう座流星群を堪能と意気込んでみたのですが、残念ながらかなり小規模な活動にガックシでした。
2日間連夜の月が昇るまでの時間帯で、実に合計2500枚以上も撮影してみたのですが、結局流星を捕らえられたのはわずか3枚という悲惨な釣果。
流星シーズンでなくともそれくらいは普通に撮れるもんナァ...今回は見事に肩すかし、まんまとしてやられました。。

ということでちょうどネタも出来たので、先日述べていた流星ボツ写真の活用方法でも綴ってみたいと思います。


【活用その1:動画にしてしまう】
暗い夜空の連続写真は数秒〜数十秒という間隔で撮影された「微速度撮影写真」なので、これを連続再生することで巷でもよく見掛ける早送り再生のような動画に加工することが可能です。

ウチはMacメインなのでそちらを中心に説明させてもらいますが、iMovieでも連続写真から動画を作ることが出来るのですが、少々ややこしかったり動作的にちょっと重いというのもあるため、専ら「TSB SimpleAnimator」という軽いフリーソフトを活用させてもらってます。
非常にシンプルな物で、フェードなどのエフェクト機能などは一切ありませんが、コマ数を細かく調整できるので狙った速度の動画が作りやすいです。
操作も至って簡単なので、興味のある方はとにかく使ってみて下さい。

因みにこれを使用する際のコツとしては、デフォルトのMPEG4で直接書き出すとグラデーションが粗く見栄えのしない動画になってしまうのですが、サイズが巨大化してしまいますがRaw movieという形式でまず書き出し、それをQuickTimeなどを使ってサイズダウンして再度書き出すと、小サイズでもグラデーションが粗くならず美しく出力できます。




【活用その2:日周運動の軌跡写真に編集】
固定撮影の星空写真は、日周運動で星の位置が刻々と変化した状態で撮影されますが、これらを比較明合成することで日周運動する星の軌跡写真を作ることが出来ます。

これについてはPhotoshopなどのレイヤーを持ったソフトがあれば可能ですが、枚数が多いと読み込むだけでもかなり大変で、場合によってはパソコンが固まります。。
そこでオススメなのが「StartStaX」で、ボタン一発で何百枚でも無理なく合成をこなしてくれるのでかなり重宝します。
出力形式はJPEGのみですが、途中経過をTiffなどの別形式で出力することも出来ますし、ダークイメージを用意しておけばダーク減算処理まで同時にこなしてくれます。
あいにく日本語には対応していませんが、合成方法の種類さえ押さえておけば英語が苦手でも難なく使えると思います。
因みに合成方式は「Lighten:比較明」「Gap Filling:光跡のスムージング調整可能な比較明」など7種ありますが、「Average:平均」もあるので追尾撮影写真のコンポジットにも便利です。
なおプラットフォームはMac、Windows、Linuxに対応しています。

10月9日、淡い流星を捕らえた唯一の写真。
全924枚を豪快に比較明合成(やり過ぎw)。下部の光跡が途切れ加減なのは雲の影響です。


【活用その3:コンポジットで美しい星野写真に】
デジタルでの長時間露光写真の場合、低い感度で何十分も掛けて渾身の1枚を撮影するよりも、多少感度を上げつつ数分単位で何枚も追尾撮影しておき、それをコンポジットした方が美しい仕上がりが期待出来ます。
かなりの高感度で撮影した写真でも、枚数が多ければその分ノイズ低減効果も得られますので、追尾撮影のボツ写真はこの方法で有効に活かしてみてはいかがでしょうか?

ノイズ低減には「加算平均合成」が有効ですが、同時にこれには動いている物の写りを弱める効果もあり、例えば何枚かに雲や飛行機、人工衛星が写り込んでしまっていても何十枚と重ねることでそれらの存在を弱めることが出来ます。
方法はいたって簡単で、上記のStartStaXなら「Average」で合成すればOK。Photoshopを使用する場合は、50%の透過率で何枚もレイヤーに被せていけば良いワケです。

ISO1600/20秒露光。ちょっと雲が多い状況でしたが...
30枚を加算平均合成。雲や人工衛星などは薄れ、ざらつき感も弱まります。
この処理を行うことでノイズ低減と共にグラデーションも自然に近くなるため、JPEG画像でも十分な編集に耐えうるものになりますので、その後の補正や編集を考えてもかなり有用な処理方法です。

上記画像を使用し、同じエディットを施した様子。右がオリジナル、左が加算平均合成画像。

2012年10月7日日曜日

流星撮影のススメ

いよいよ秋の流星シーズン突入ですが、ちょうど本日辺りから11日頃にかけてりゅう座流星群が活発化。以前にも書いたとおり周期的には昨年が大発生の年でしたが、今年も十分可能性があるとのことです。
ピークは明晩8時頃との予想ですが、幸い夜半まで月も出て来ませんし、放射点も高高度で天の川も存分に楽しめる時間帯ということで、天候が良ければ好条件で楽しめそうです。
数秒間にわたってユラユラゆっくりと流れる微光流星が多いので、じっくり願い事が出来ますよ!!

また来週から再来週にかけては月も痩せる時期なので、今月中長期的に活発化するオリオン座流星群も好条件で楽しめそうだし、今月中旬の晴れた夜には撮影に出掛けてみようと大いに画策してます。
数はそこそこも派手な火球の多いオリオン座流星群ですが、明るい火球ならF3.5クラスの標準レンズやコンデジでも、高感度で数秒程度の長秒露光可能なら十分撮影出来るので挑戦してみてはどうでしょうか?


せっかくなので流星の撮影方法について触れてみましょうか。
ここではデジタルカメラ使用を前提として話を進めます。

【準備するもの】
基本として三脚とデジカメ。もちろんデジイチがベターですが、コンデジならまずマニュアルフォーカス可能で、高感度で最低でも5秒以上、願わくば15秒程度は露光できるものが望ましいです。また出来るだけ明るいレンズを有していることも有利な条件です。
撮影補助アイテムとしてリモコンレリーズ、赤外線リモコン、ケーブルレリーズのいずれかも必須ですが、こういったモノが用意できない場合は、タイマー撮影機能を使いブレが生じないよう注意して下さい。
もし追尾撮影したい場合はポータブル赤道儀を用意しましょう。

【画角について】
広角であればあるほど流星を捕らえられる可能性は増えますので、手始めには出来るだけ広角のレンズ、コンデジならズームのワイド端(24〜28mm相当)での撮影をお勧めします。
もし迫力ある流星を撮影したいというのなら40〜50mm(APS-Cなら25〜35mm)くらいの焦点距離が適当かと思いますが、もちろん画角が狭まるほど流星を捕らえられる確率は下がりますので、この場合は複数台用意した方が失敗が少ないと思います。

【設定感度と露光時間】
環境や光害の影響にも依りますが、目安としては絞り値F2.8辺りを境にそれ以下の明るいレンズならISO800、暗いレンズならISO1600かそれ以上に設定し、10〜15秒程度の露光時間がちょうど良いと思います。
もし星空もしっかりと描写したければ30秒程度露光しても良いでしょう。ただし、固定撮影ではそれなりに星像も流れてしまいますし、あまり感度を上げすぎて全体的に明るさが増しすぎると微光流星は埋もれて消えてしまうので、その辺の兼ね合いを考えつつ空の状況で感度や露光時間を決めて下さい。

【フォーカスの合わせ方】
星空を撮影する場合は必ずマニュアルフォーカスで無限遠に合わせます。オートフォーカスでは通常星空にピントは合いません。
合わせ方のコツとしては、デジイチならまずファインダーを覗きながらカメラを明るい恒星に向けて固定し、ライブビューで拡大表示して星像が最も小さくなるようにフォーカスリングを微調整してください。
ミラーレス機やコンデジの場合も同様ですが、電子ビューファインダー(EVF)では星像を捕らえにくい上にバックライトが明るいため目が眩んでしまうので、EVFの使用はなるべく避け、外付けの光学ファインダーを使用するか、そういったオプションがなければLCDモニターのみで合わせるようにした方が良いです。

【撮影方向】
カメラを向ける方向については、どこに流れていくか分からないのでテキトーでOK。後は運次第です。
個人的には、カメラ一台の場合は広角でおおよそ放射点方向に向ける場合が多いですが、月が出ている場合、月光の影響の少ない方が長時間露光も出来ますし流星の写りもハッキリしますので、なるべく月に背を向けるというのが基本です。
放射点にほど近い馴染みのある星座の方向や、もし軌跡の長い流星が撮りたければ、放射点より45〜90度ほどずらした方向へ、画角の長い対角が放射点からの直線上になるように向けておくのが良いでしょう。
方向が決まったらいよいよ撮影開始。ひたすら連写しまくってください。

【連写の方法】
連写のやり方にもいろいろありますが、デジイチならリモコンレリーズを接続し、連写モードに設定してあとはレリーズロックしておけばカメラの連写限界枚数までザクザク撮影してくれます。

リモコンレリーズを使用できないコンデジやミラーレス機の場合は対策が必要です。
もしインターバル撮影機能を装備していれば、撮影の度に多少のブランクが入ってしまいますが、これを活用するのも良いでしょう。
昔ながらの、いわゆるケーブルレリーズ でも対応可能ですが、特にコンデジは連写できる限界枚数が少ないので頻繁に押し直す必要がありますし、何と言っても手が疲れます。。

また赤外リモコンに対応したデジイチやミラーレス機は、手動でリモコン撮影という手もありますが、ここで便利なのがマルチインターバルタイマリモコンキットです。

ケーブルリモコン非対応のデジイチ/ミラーレス機には必須の便利アイテム。

これは一定間隔で発信が行えるという便利な赤外線リモコンですが、デジイチメーカーの多くの機種に対応しており、1〜40秒までのインターバル設定が可能です。
一時期は完成品も販売されていましたが、現在キット売りのみなのでハンダ付け工作が必要ではありますが、最低限のハンダ工作工具があれば素人でも小一時間で製作可能です。

これを使う場合はカメラ本体側で露光時間を設定しておき、インターバルは最小の1秒設定で使用すれば最短間隔で連続撮影が可能です。

ただ、素のまま作ってもご覧の通りの形状で結構扱いにくかったりしますので、市販のフレキシブルLEDライト などを加工して発光部をアーム状に伸ばしたり、設置固定しやすいよう自作加工して使用するのがオススメです。
因みに個人的には、長時間露光も出来るようにインターバルタイマーリモコンを接続してインターバル制御出来るよう改造して使ってたりします。


ちょっと長くなりましたがこんなところでしょうか。
まぁ流星雨にでもなれば話は別なのですが、流星撮影では100枚撮って1〜2枚も写っていれば御の字といったところで、ほとんどの写真はボツってしまいます。
次回は、そんな無駄になってしまった連続写真の巧い活用方法でも綴ってみようと思います。

2012年9月28日金曜日

新たに秀逸星図アプリ

先日紹介したばかりの星図系アプリですが、新たに優秀なアプリを発見したので紹介しておきます。

その名は「天文学 3D」...?
iTS上ではそのように表記されているのですが、ダウンロードすると「アストロ 3D」というアプリ名に変貌してしまうのでご注意を。因みに英語名は「StarMap 3D」だそうです。
とりあえずこちらは9/28現在無料提供中ですので、興味のある方はお早めに!!

このアプリには強化バージョンの「天文学 3D+」という上位アプリも存在するのですが、簡易版がかなり快適動作で使い勝手も良好と言うことで早速DLしてみましたので、こちらを中心に紹介してみます。

表示はスタンダードな部類。+では星座絵表示も可能。

まず使ってみた感じですが、とにかく星図の表示動作がすこぶる快適で、ジャイロの狂いもなくグリグリ動いてくれますし、また起動もかなり速いので現場での即戦力としてかなり重宝しそうな一本。
機能面でも星図として主立ったものは網羅しており、もちろん全方向表示にも対応。
天文学 3D+」は情報量もかなり豊富で、人工衛星の表示機能こそないのですが、検索によって位置を確認(星図上に矢印と赤いマークで表示)することは可能で、また視認チャンスを確認出来る点が目を引くところ。
一際大きく明るいISS(国際宇宙ステーション)などは写真撮りにも人気ですが、いつ頃どの方向に現れるかが確認出来るのはありがたい機能です。

軌道や詳細表示と共に、視認チャンスも確認可能!
ボタンをタッチすると上空通過リストが表示。ベスト条件を★で表示。
更にありがたいアラーム機能を装備。15分前、1時間前で設定可能。

難点を上げれば一点だけ、上下のツールバーが結構太めで表示を消せないので、特に横表示ではかなり使いにくい感じ。表示領域は狭いですが、基本的に立てて使うのが良さそうです。


先日紹介した「Star Walk - 5つ星の天体観測ガイド」もかなり優秀な星図アプリですが、間違いなくこれと双璧をなす、或いは凌駕するレベルとも言える秀逸アプリです。
強いて使い方を厳選するとすれば、日常的に閲覧を楽しむなら「Star Walk」、星空観望や撮影現場での即戦力として「天文学 3D+」を活用するというのがベストだと思います。

2012年9月14日金曜日

あえて、コンデジで星空を撮ってみる。

先日、Nikon 1でもまずまずの星空写真が出来ることを検証してみましたが、今度は更に敷居を高め、一般的な1/2.3型サイズのイメージセンサーを搭載したコンデジで星空の写真に挑戦!?
というか、ハナからろくな写真が撮れるとは思っていないので、いかに自力処理でキレイに仕上げるか?って話になるでしょう。


今回使用したのは、先日安価で入手したパナのLUMIX FZ150。いわゆるネオ一眼ってヤツです。
25mm相当/F2.8から600mm相当/F5.2のレンズを搭載しているので、広角と望遠と両方とも試してみました。
因みに、この機種も一応Panasonicさんお得意の「星空モード」なる機能も搭載しますが、最大60秒露光出来るのは良いものの低感度固定でその辺弄れないのが頭の痛いところで、このモードを使ってもせいぜい星座が認識できる程度で、到底まともには星空は撮れません。

そんなわけで今回は、当然ながらMモードで限界シャッター時間の15秒露光で挑戦です。
しかし流石に15秒では厳しいので、色落ち覚悟もISO3200(MAX)まで引き上げて撮影しました。
当然ながらRAWで記録しましたが、因みにこのRAW(各社各々のフォーマットがあります)というのが撮影したままの生データです。JPEGは大方必要な情報がそぎ落とされてしまっているうえに色深度が浅く、調整範囲が狭いので編集には向きません。


前置きが長くなりましたが、まずは今回の撮影でヴィーナスエンジン(パナの画像処理エンジン)が描き出したJPEG画像をご覧下さい。

24mm相当/F2.8/ISO3200/固定15秒露光のおうし座、オリオン座付近
星景はまぁこんなもんだろうという感じですが、しかし見事なまでに色素が抜かれまくってますねぇ...夜空が真っ黒というのも変に不気味です。
高感度なだけにかなりざらついた写真にはなってますが、ほとんど星を捕らえられない「星空モード」より断然マシです。

600mm相当/F5.2/ISO3200/追尾15秒露光のM42、43付近
F5.2で15秒では下手すりゃ星像しか写らないかなぁ?なんて思ってたら、解像度こそ甘く星像もかなり大玉に写ってますが、流石に明るいオリオン大星雲、案外明瞭に写るもんです。


さてこれからが本題ですが、これらを複数枚撮ったRAW画像をコンポジット(合成)という手法でもっと見栄えの良い写真造りに挑戦です!!
コンポジットすることの利点はまず、複数に渡って同様の発色がある部分は強調される反面で、ノイズや発色の曖昧な部分が周囲に馴染むので全体的により自然な発色、グラデーションが得られることに尽きます。
この手法にもいくつかあるのですが、ここではやはり少しでも多くの星像をしっかり浮きだたせたいので、基本手法の一つ「比較明合成」で複数画像の明るい部分を残しながら重ねていく方法を取ってみました。

まず星景の方からですが、色情報がかなり乏しそうな雰囲気だったので思い切って10枚重ねてみました。
これは固定撮影だったので、画像を重ねる前に配置をしっかり直さなくてはなりません。
Photoshopにはこれを自動的にこなしてくれる機能があるのですが、これが意外に曲者で、なかなか意図通りに合わせてくれない厄介者なのですよ。
なもんで結局力業で、1枚1枚地道に画像を合わせ込みましたよ!!流石に10枚は疲れました。。。

因みに自力でやる方法ですが、元画像の上に載せた画像を「差の絶対値」や「減算」とかにして、自由変形で四隅をつまんで画像を歪ませて合わせていきます。
この時、下地の背景画像をサイズ変更で多少大きくしておくとアンカーポイントが画面からはみ出ることなくつまみやすいです。
あとは根気との勝負ですが、四隅を少しずつずらして確認しながら、全体像がしっかり重なっておおよそ真っ黒い画像になればOKです。

そうやって重ねていき、最終的に色調整したものがこちらです。
Photoshopで10枚比較明合成。色味調整したもの。露光合計150秒相当

多少は夜空っぽくなったでしょうか。比較明合成なのでシルエットが溶け込んじゃってますが、視認できる星も大分増えました。
枚数が多いので、コンポジットの利点を考えてノイズ処理は出来るだけほどほどに抑えたのですが、なかなか良い発色は得られませんね...
それでもわずかにオリオン座周辺の星雲が見えそうな雰囲気は出てきたかなぁ?ただの色むらかもだけど。


次にオリオン大星雲ですが、こちらも比較明合成です。
同じくPhotoshopで6枚比較明合成&色味調整後。露光合計90秒相当

元々色がハッキリ出ているせいか、意外とイイ感じッスね。
M42の星雲の中心部分なんか、JPEGでは周囲と同化して超巨星になってしまっていたトラペジウムも輪郭が見えてきたし(ホントは複数の星の集合体ですが)、全体的にも星雲らしい煙っぽさをちゃんと醸してます。
もうちょっと頑張れば左上のNGC1973散光星雲も浮かんできそうですね。
こんなに発色が良いなら、もしかしたらばら星雲あたりも写るのかなぁ?
600mm相当でF2.8実現のFZ200なら余裕なんだろうなぁ...


とまぁ手間暇を惜しまなければ、例えコンデジでもそこそこには星空の写真もイケそう?という感じですね。
ただし、RAWで保存できることが必須条件にはなるでしょうけど。

因みに、一般的にJPEGでしか保存出来ないデジカメが多いのですが、JPEGはカメラ内蔵の画像処理エンジンを通して整えられた圧縮画像で、決して撮ったままの画像ではないんですよね。
その辺考えると、レンズがどうだのセンサーがどうだとかって半ばどうでもいいような話で、結果が良ければ全て良しってことになっちゃうんじゃないか?なんて気もします。
ついでの話をすれば、RAW画像を自力処理して美しく加工された写真が邪道のようにも思われがちですが、画像処理エンジンだろうが元を辿れば人為的な処理プログラムに違いないし、如何ほどのアルゴリズムで動作しているのか知りませんが、機械的な判断に任せて処理をすれば最適なのか?という疑問も当然湧くわけで、それならむしろ自力で手間暇かけて、より美しく狙い通りに仕上げるべきなのでは?とも思えてきますけどね。

やはり人間画像処理エンジン、最強です!!w

2012年9月5日水曜日

日本語対応の定番星図アプリ3本

実は以前勤めていた会社がモバイル系でして、まだジャイロやコンパスなんてものが端末に搭載されるなんて思っても見なかった時代でしたが、その頃、個人的にも欲しいと思ったもので、星図モバイルアプリなんか作れば凄く実用的だし売れるんじゃない?なんて話をしてたもんですが、今や秀逸なアプリが登場して便利になったものです。

そんなわけで今回は、星空撮影のお供に打って付けの実用的な星図アプリの紹介です。
なお、レビュー内容に関してはiPhone 4上でのレポートなので悪しからず。


Star Walk - 5つ星の天体観測ガイド
表示はかなり派手めでリアルとは言えませんが、眺めていても見応えがあって楽しい。

機能多彩な完成度の高い星図アプリで、少々派手すぎると思えるほど鮮やかな星図(もちろんコンパス/ジャイロで方向を示す。当アプリでは"Star Spotter"と称してます。)と共に、「歴」(天体現象カレンダー/英語のみ)、「スカイライブ」(太陽、月、惑星の出没時間表)、「ギャラリー」(豊富な天体写真集) などをメニューに搭載。
星図には人工衛星の表示が出来るのも独特。
検索機能も充実しており、天体や星座はもちろん、人工衛星までも検索表示が可能で、現在上空に現れている天体名以外は暗転表示するといった気の利いた部分もあります。
暗所でも目に優しい赤色表示も当然可能です。

眺めて楽しむ部分でも充実しており、時間を進めたり戻したり、速度の設定にも自由度が高いのでめまぐるしく変化させることも感覚的操作で容易に可能。また可視光以外の様々なスペクトル表示が出来る点もスゴイです。
可視光スペクトルの他、ガンマ線、X線、Ha線、赤外線、マイクロ波、電波を選べる。

動作もかなりなめらかでストレスを感じませんし、Star Spotter状態では手を離していてもモニターオフしないのもありがたい部分。最近のアップデートで全方向表示に対応したことで、もはや文句の付け所はおおよそ皆無です。

とりあえず天体好きのiPhone/iPadユーザーなら必須と言える定番逸品アプリなので、興味のある方は何はともあれこの一本、是非とも使ってみて下さい。

Star Walk - 5つ星の天体観測ガイド(250円)



iステラ
星像は強調されてますが、背景の天の川は目視イメージに近いほんのりとした表示です。

国内の天文ソフト有名メーカーのアプリなので素人でも安心して使えるでしょう。
独自機能には少々乏しく、操作性や動作についてもStar Walkに少々劣る印象はありますが、星図は十分な性能を満たしており、また表示設定がかなり強力で、天体の名称・記号、星座線や絵、高度、赤経緯線などのON/OFFをかなり細かく設定出来、また地上風景を変更したり、星のまたたきや大気減光まで表現表示可能です。
各天体の情報画面では運動サイクルをグラフ表示してくれる点も独特。
ただ他と比べて価格が高めなので、もっともっと機能面でも頑張ってもらいたいところではありますね。

iステラ for iPhone(800円)
iステラ HD for iPad(800円)



星座表
写真に撮った感じの天の川イメージ。星も過剰に強調されていない点はリアルに近い。

星図表示性能としては申し分ないレベルで、特記機能としては天体の詳細表示でリアルタイムで座標が変わる点と、Star Walk同様に全方向表示に対応している点。
この手のアプリでは珍しくiOS以外の複数プラットフォームでも提供されています。
気になる点は起動がかなり遅く動作もやや緩慢で、ピンチイン・アウトの反応も鈍いので、その辺の改善は進めてもらいたいところ。

因みにAndroidでは、この他にも無料のスカイマップなる日本語対応星図アプリもあるようですが、見栄えの良さで言えば明らかにこちらが上。価格もお手頃なのでとりあえず使ってみるのも良いと思います。
価格を考えれば決して悪いアプリではないです。

星座表 for iOS(250円)
星座表(その他の端末)(99円〜)



【番外編】

日本語に非対応の星図アプリも多いのですが、中でもStarTracker for iPhone 4Sというアプリは一時無料提供されたおかげか国内でも評判が良いようです。サンプル画像を見ても見栄えは良さそうな印象です。
旧機種でも使えるStarTrackerというものもあるようですが、こちらはAppStoreでも現状無評価の状態のようで。。。
どちらも使ってみていないのでどのようなものかは分かり兼ねますが、一応触れておきます。

2012年9月4日火曜日

J1で天体撮影!?

AF機能が進化した(程度のw)Nikon 1 J2発売が9/6に迫ってますが、ここであえてJ1の話。
天体用途では厳しいのか?と思っていたNikon 1でしたが、ちょっと検証してみたのでレポートします。

ただまぁ専用レンズ以外の使用では不都合の多いちょっと残念なカメラであることは以前もお伝えしましたが、他マウントの非接点レンズでは露出計が動かないうえにフォーカスのアシスト機能なども皆無のために、結局実際に撮ってみなけりゃ明るさもピントもどうなるかよく分からないってのがネックなんですよね...
せめて、フォーカス合わせのためにもズーム表示くらいは出来るようにしてもらいたいものですが。。。
Nikonさん、何とかしてもらえないでしょうか?

ま、その辺はちょっと我慢するとして、実際にJ1が天体方面における撮影でどれだけ使えるのか、いろいろと試してみました。

幸いにも、少々一癖あるもののインターバル撮影機能が搭載されておりまして、それを使って撮影したペルセウス座流星群の火球写真をすでに先日お見せしましたが、標準ズームレンズでもあれくらいの写真(色味、ノイズなどサクッと処理してますが)は撮れることは分かりました。
ただノイズの発生量がAPS-C機の比ではないほど凄まじいので、星野・星景写真を美しく撮ろうという希望はほどほどに抑えておいた方がイイです。

ダーク画像(もちろんノイズ低減なし)を自前のAPS-C機と比較するとこんな感じです。
ISO1600/120秒露光でのノイズ発生量(左上隅500×500の切り抜き画像)
等倍拡大するまでもなく一目瞭然。フォーサーズでも酷いと言われるのに、1インチセンサーなんてやっぱしこんなもんかって感じですね。
あまり高感度で長時間露光しなければ、ノイズ低減機能やダーク減算処理でおおよそ目立たなくはさせられますが、事実としてこれだけのピクセルが滅されてしまうと考えると...

にしても低ノイズで定評のあったD40は流石にプチプチノイズ少ないなぁ...もうちょっと開けると左上隅付近にドバッとヒートノイズが出てくるんですが。
上の比較を見てもそうですが、ここ近年のデジカメは単純に画素密度(D40<D90<NEX-5)に比例してノイズも増える傾向があるので、星撮り屋にとってはあんまし高画素化ってのもありがた迷惑なところもあるのですが、、、最近の高画素機種はどうなんでしょうね?


しかし、星空の写真なんてのは処理の仕方でどうにかなるものなんで、これでも全く使えないと言うほどではないです。
ただまぁノイズ処理は強めにかけないとどうしようもないので、多少のっぺり感が出てしまうのですが、とは言え↓この程度の写真は作れるんで十分と言えば十分か?
Nikon J1で、朝方の東の空(10mm/F3.5/ISO1600/120秒)

とまぁ長秒露光にはあまり使いたいとは思えないNikon 1なのですが、明るい被写体が相手ならそんな懸念も無用なわけです。

ということで、お次は煌々と輝く月の撮影で比較してみました。


先日、3年ほどに一度というブルームーン(と言っても9月1日になっちゃってましたがw)を、同じ鏡筒(1000mm/F5)を使ってNEX-5とJ1とで撮影したのがこれです。
左がJ1、右がNEX-5の等倍比画像

1000mmは長すぎて、やはりJ1ではちょっと収まりきれませんでした。。
↑の写真でも写りそのものの繊細さの違いがは歴然ですが、J1の方を同サイズに縮小してみたのがこれ↓

撮影サイズが1.5倍も違うので単純比較は出来ないのですが、それでもこれだけ明らかな違いが出たのはやはり、全く衝撃のない電子シャッター機構の恩恵に尽きますね。
NEXはやたらと豪快なシャッターアクションがあるのですが、いくら数百分の1のシャッター速度とは言え、望遠率が上がれば上がるほどに微小な揺れですら写りに影響してしまうわけですよ。

結局、長玉での直焦撮影なら電子シャッター式のカメラがやっぱり有利ということです。
そう考えれば月や野鳥なんかの望遠撮影には有用なカメラではあると結論づけて良いのではなかろうか?

ただやはり最初に触れたとおりで、Nikon 1には、自動露出調整とフォーカス合わせのアシスト機能がないのが痛すぎる...
この辺の機能強化だけで万民のウケもかなり上がると思うんだけどなぁ...

2012年8月31日金曜日

食指が伸びそう...

近頃SONYのRX100という、一見ガンダムの型式番号のようなコンデジがヒジョーに高画質だと言うことで話題になっているようですが、個人的には、コンデジでは史上最大口径比となるF1.4レンズ搭載を実現したPanasonicのLX7に思いのほか興味津々です。



確かにRX100の、特に広角域での驚異的な解像力には流石に目を見張るものがありますが、しかし描画力だけがカメラというものの性能の高さを示すものではないとも思うんですよね。。
いくらどんなに解像度が高くても、撮ったままの写真をそんなに細かく拡大して見るワケではないんだし、結局は全体の印象が写真の善し悪しを決めるものだと思うし...


まぁ細かい描画の面では明らかに劣るであろうLX7ですが、このカメラの良い部分は無理矢理な高画素化に走らず、レンズ性能や操作性を突き詰め、玄人好みに使い勝手を重視されながら純粋な正統進化を遂げているところだと思うし、そういう部分がカメラという道具としての価値をより一層高めていくものだと思うのですよね。

何せ、まさに言葉の通り目玉となるのがF1.4(テレ端でもF2.3)という大口径レンズですが、この恩恵や意味するものはとてつもなくデカイですよ。事実フルサイズで、まして十万、二十万と大枚積まなきゃF1.4の24mm画角なんて手に入らないですからね。
世の中高感度性能の向上に偏り気味な昨今ですが、明るいレンズによってノイズ発生を抑えられる低感度が使える点でも断然有利だし、同じ感度でも圧倒的に明るいわけですから、この部分だけでもシチュエーションを問わない最強の汎用性を有したコンデジと言えますからね。

イメージセンサーサイズの違いもあり、ボケみの面ではF1.8のRX100とほぼ差はないとのことですが、逆に捉えれば収差の影響を受けにくいということで、F1.4でも四隅まで乱れが少なくフラットに近い描写が出来るということでもあるでしょう。
ともなれば夜景なんかさぞかしキレイに撮れそうだし、星空でも十分イケるんじゃないか?なんて期待も高まります。

また新たに追加された部位として、使用頻度の高い絞りリングと、有用な機能と共に追加されたND/FOCUSレバー。
機能ばかり詰め込む一方で外観をシンプルにまとめたがる裏腹な傾向のあるデジカメですが、あえて操作部を増やしてより操作性を向上させようという心意気はありがたい材料ですね。
シンプルな方がウケが良いとか思ってるのは世の中の過った錯覚だと思います。
見た目がどうこう言う次元の話ではなく、結局は使い勝手の良いものこそが優れた商品ということですよね。


LX7、小生には魅惑極まるカメラです...
こんなにワクワクするコンデジは初めてだなぁ。。。この高ぶる衝動を抑えきれるだろうか...?

2012年8月26日日曜日

秋〜冬の流星群展望

観測しやすい夏の流星シーズンも一段落し、あまり活発な流星群の見られない時期に入りましたが、今の内に秋〜冬の代表的な流星群の予習でもしておきましょうか。


◎りゅう座流星群(旧ジャコビニ流星群):10/6〜10(極大10/8 20:00頃)活動規模不定
放射点:りゅう座の頭側部付近
微光ながらゆっくりと長く流れる流星が多いので、願い事をするには絶好?
13年毎に大きな活動を見せると言われており、昨年がその周期に当たりましたが、前回は翌年にも活発な活動が見られた例もあるので、今年も活動的な可能性もありそうです。
※時間と共に放射点が地平に近づいていくうえに流星も小粒なので、写真撮りには少々厳しい流星群です。

◎オリオン座流星群:10/2〜11/7(極大10/21 13:00頃)活発
放射点:オリオン座ベテルギウス側の腕部とふたご座との間付近
ハレー彗星が母彗星とされ活動期間もかなり長いのが特徴で、流星痕を残すような巨大な火球も多く見られ、迫力も満点です。
活動期間と同様にピークも長期的で、数日に渡って活発な活動を見せることが多いので、流星撮影にはなかなか都合の良い流星群。個人的に毎年楽しみにしている一つです。

◎しし座流星群:11/14〜21(極大11/17 19:00頃)活動規模不定
放射点:しし座のちょうど頭部付近
1999〜2001にかけて非常に活発な活動が見られたことで近年ではかなり有名ですが、33年という活動周期のため、当面の活動状況は大分大人しいので過度な期待はしない方が良いでしょう。20年後に期待ですね。

◎ふたご座流星群:12/7〜17(極大12/14 8:00頃)かなり活発
放射点:ふたご座のカストル側部付近
三大流星群の締めを飾る大流星群。夜が更けると同時に放射点が昇ってくるため、一晩中観測出来るありがたい流星群です。
昨年は明るい月と重なり条件が悪かったものの、月光に負けない多数の流星が見られました。
今年のピークは夜明け後と予想されてますが、月の影響なく観測できる絶好条件の極大日前後となるので、防寒態勢で週末の夜をじっくり堪能したいですね。

◎こぐま座流星群:12/17〜26(極大12/22 17:00頃)活発
放射点:こぐま座のひしゃくの器に当たる部分の上部付近
火球が出るか、微光流星多発か?という流星群。
月末に向けて明るい月と重なる頃合いですが、冬の二大流星群の狭間の期間は、北天をゆっくり眺めて過ごしましょう。

◎しぶんぎ座流星群:1/1〜5(極大1/4頃)かなり活発
放射点:りゅう座、うしかい座、ヘルクレス座との狭間付近
国際天文学連合の分類にはしぶんぎ座は設定されておらず、近隣に位置する星から由来してりゅう座ι(イオタ)流星群とも呼ばれるようです。
三大流星群の一つで、明るく速い流星が多い新年名物の大流星群。
今シーズンは、放射点が昇ると同時に月も昇ってくるため観測条件は悪いが。。


もちろんこの他にもいろんな流星群があり、流れ星も年中見られるのですが、特に活動的なシーズンはやはり秋〜冬なのでこの機会に写真機材など揃えて撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?楽しいッスよ!!^^

2012年8月14日火曜日

夏の流星群を堪能

ほぼ全国的に天候不順な今年のお盆休みで、ウチの辺りでは残念ながら今朝の金星食は拝めませんでしたが、幸いにも12日から13日にかけての夜間、2、3時間程度ではありましたが一時的に雲間が広がってくれ、夏の流星ショーを堪能することが出来ました。


2時間ほどの間にかなり明るい火球が5〜6本見られ、中には爆発火球もあったのですが、メインカメラでは捕らえることが出来ず...
しかし、家の窓に仕掛けておいたJ1と、たまたま試しに撮ってみたコンデジの映像にその巨大な火球が捕らえられておりました。↓
J1+10-30mm/F3.5-5.6(10mm開放/ISO3200)10秒露光


実はこの時、「ポン...」という小さめの花火のような破裂音らしき音が遠くから確かに聞こえたのですが、見えてからわずか十数秒後のことだったのでその音かどうかは定かではありません。

ただ実際にそういった例も聞かれるようで、電磁波音ではないか?とも言われているようです。


あと、実はかなり大規模な流星痕の写真も撮れていたので、連続写真を映像に編集したものを追加しておきます。

2012年7月12日木曜日

Nikon J1衝動買い...

もはや眼中から消え失せていたはずのNikon 1でしたが、先日ふと某価格情報サイトを覗いてみると、J1標準ズームレンズキットが軽〜く3万円を割る破格値にこなれてたもので、迂闊にもつい衝動買いしてしまいました。^^;



どんなカメラかという話はそこいら中で話題にもされているので割愛させてもらいますが、ただ良い意味でも悪い意味でも、レンズ交換式カメラの中では最もチープな部類なんじゃないでしょうかねぇ。
ビギナー向けな感じが強いですが、それだけに設定等の操作性については悪過ぎにもほどがあるので、最大手カメラメーカーの製品だからと言って変に期待しない方が賢明です。


しかし仕様が仕様なので、その辺の利点を活用したい意向があるなら面白いカメラではあると思います。
特にポイントになりそうな部分をざっと挙げますと、、

◎1インチセンサーにより、フルサイズの2.7倍(APS-Cの1.8倍)の焦点距離が得られ、軽量コンパクトなお手軽超望遠システム構築が可能。
※一般的なネオ一眼より断然画質も稼げるので、特にNikon遣いならこの恩恵は大きいと思います。

◎純正マウントアダプターFT1を使用すれば、Nikon FマウントAFレンズを接続、制御可能。(AE、防振OK。AFはモーター内蔵に限定。他社製レンズも大方において動作するらしい。長秒時ノイズ低減は機能しない。)
◎FT1使用時は露光1秒未満の制限があるが、非接点の他社製マウントアダプター経由ならMモードのみの動作に限られるものの、露光時間制限は無効となりバルブ(最大120秒)まで可能。(もちろんこちらも長秒時ノイズ低減が機能しない。)
※非接点マウントで露光時間制限しないなら、FT1でもそうしてもらいたいものですが...

◎1200fps(320×120)、400fps(640×240)の高速度カメラ機能「スローモーション動画」を搭載。(撮影時間は5秒まで。)
※5秒が短いと思う人も多いと思いますが、400fpsで1分6秒、1200fpsで3分20秒の再生時間になるので、タイミングを狙える映像なら十分な時間だと思います。



あと、フランジバックの短さにより各社マウントレンズが試せるのもこの手のカメラの醍醐味とも言えますね。


2分のリミットがあるとは言え、バルブ可能となれば星も十分撮れそうなのですが、噂に聞いていた輝点ノイズの発生量がなかなか尋常ではないので、かなり厳しいものがありますね...
あまりそういった作例もないようだし、どれほど使えるものなのか?また使えないのか??機会を見て試してみようと思います。

2012年6月15日金曜日

横着者専用レンズ!?

史上最大16.7倍!!という超高倍ズームレンズがNIKONより発売されます。


AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR

DXフォーマットレンズですが、18-300mm(35mm判換算27-450mm相当)と、ダブルズームキットのレンズが一本で賄えるという、あらゆるシチュエーションに対応出来る実にありがたい代物。
重量830gと少々デカいのが難点ではありますが、複数台ボディを持っていれば、これ一本一生嵌めっぱなしのカメラなんてのも出てきそうですね。
因みに寸法は55-300より僅かに短いみたいです。
あと300mmで最短撮影距離45cmはスゴイですね!ありんこも巨大生物に撮れますよ!!w

定価は13万円とちょっとお高いのですが、スペック的に見ても相応なのかな?
写り云々は評判を待つしかありませんが、価格相応のクオリティを示してくれるメーカーでもあるのでかなり楽しみなレンズですね。

2012年6月7日木曜日

辛うじて撮った。金星の太陽面通過

昨日は東日本はあいにくの天候だったようですが、ウチの辺りもかなり雲の多い状況で太陽が顔を覗く気配が薄かったため、自宅での観測は諦めて車で北上して雲間と追いかけっこという感じでした。

で、結局柏崎の入口あたりまで脚を伸ばした頃合いに時間を迎えてしまい、まぁ何とか太陽も拝めそうな状況だったので峠道の山中に三脚を構えまして、雲間に時折見える太陽を数枚ばかし撮影出来ました。

雲に透けた太陽の輪郭が直視で見れる状況でもあったんで、ノンフィルター、300mm望遠での撮影も試みてみましたが、その一枚をコチラに掲載しておきます。

D90+300mm ISO200 F18 1/4000秒(中央トリミング)

ハッキリまん丸に写ってるんで分かりますよね?金星。
ちょうど第2接触の頃合いの写真です。
中央付近にチラホラ見えるのは黒点。もうちょっと数が多かったのですが、この写真では飛んでるのもあるんで5つくらいしか分かりませんね。