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2012年10月22日月曜日

流星ミサイル!?

流星ネタが続きますが、今週末は天候にも恵まれたので、三夜連続で月の沈んだ深夜から朝方にかけてオリオン座流星群の観望&撮影を楽しんできました。

21日(日)の日中にピークが予想されてましたが、土、日の夜(翌午前)は今ひとつ目立つ流星が少なく、むしろ金曜の晩(土曜の午前)が一番賑わっていた感じで、かなりの火球も見ることが出来ました。
その代わりというか、他の散在流星群も結構活発的であちらこちらから大小の流星が飛び交っておりまして、ちょっと活動が渋めのオリオン座群ながらもいろんな流星群のフォローで観望はそこそこ楽しめる週末ではありました。

というワケで、19日早朝の大火球の写真でも上げておきますか。
自宅に仕掛けておいたD40での撮影です。

南天に流れ落ちる流星群。73枚(約20分)比較明合成してみました。
流星痕もクッキリ残っていたので、その様子を動画にしてみました。
しかしこのあと雲が出てきてしまい、痕跡が消えるまで捕らえきることが適いませんでしたが...

動画にするとミサイルみたいですねw
流星痕がどういうワケかブタのしっぽのように丸くなったのも不思議です。

あとついでに、またしても遊び半分にコンデジでも撮っていたところこの大物を捕らえてしまいまして、それも一応上げておきましょう。
コンデジで捕らえた写真。近所の農道にて撮影。ノイズ、色味処理してます。
並の流星だとノイズに負けてなかなかハッキリ写ってくれませんが、これくらいの大火球ならコンデジでもバッチシです!

オリオン座流星群ももうしばらく活発な活動が続きますし、前述のように他の流星群も結構流れまくっているので、月末に掛けて月も太ってきますが、明るい火球も多いので晴天の夜空が望めるようならじっくり空を見上げてみてはいかがでしょうか?

2012年10月12日金曜日

りゅう座流星群にスカされ〜ボツ写真の活用

快晴とまでは行きませんでしたが、8日、9日とそこそこの好天に恵まれたので、今年も活発な活動があるのでは?と期待されていたりゅう座流星群を堪能と意気込んでみたのですが、残念ながらかなり小規模な活動にガックシでした。
2日間連夜の月が昇るまでの時間帯で、実に合計2500枚以上も撮影してみたのですが、結局流星を捕らえられたのはわずか3枚という悲惨な釣果。
流星シーズンでなくともそれくらいは普通に撮れるもんナァ...今回は見事に肩すかし、まんまとしてやられました。。

ということでちょうどネタも出来たので、先日述べていた流星ボツ写真の活用方法でも綴ってみたいと思います。


【活用その1:動画にしてしまう】
暗い夜空の連続写真は数秒〜数十秒という間隔で撮影された「微速度撮影写真」なので、これを連続再生することで巷でもよく見掛ける早送り再生のような動画に加工することが可能です。

ウチはMacメインなのでそちらを中心に説明させてもらいますが、iMovieでも連続写真から動画を作ることが出来るのですが、少々ややこしかったり動作的にちょっと重いというのもあるため、専ら「TSB SimpleAnimator」という軽いフリーソフトを活用させてもらってます。
非常にシンプルな物で、フェードなどのエフェクト機能などは一切ありませんが、コマ数を細かく調整できるので狙った速度の動画が作りやすいです。
操作も至って簡単なので、興味のある方はとにかく使ってみて下さい。

因みにこれを使用する際のコツとしては、デフォルトのMPEG4で直接書き出すとグラデーションが粗く見栄えのしない動画になってしまうのですが、サイズが巨大化してしまいますがRaw movieという形式でまず書き出し、それをQuickTimeなどを使ってサイズダウンして再度書き出すと、小サイズでもグラデーションが粗くならず美しく出力できます。




【活用その2:日周運動の軌跡写真に編集】
固定撮影の星空写真は、日周運動で星の位置が刻々と変化した状態で撮影されますが、これらを比較明合成することで日周運動する星の軌跡写真を作ることが出来ます。

これについてはPhotoshopなどのレイヤーを持ったソフトがあれば可能ですが、枚数が多いと読み込むだけでもかなり大変で、場合によってはパソコンが固まります。。
そこでオススメなのが「StartStaX」で、ボタン一発で何百枚でも無理なく合成をこなしてくれるのでかなり重宝します。
出力形式はJPEGのみですが、途中経過をTiffなどの別形式で出力することも出来ますし、ダークイメージを用意しておけばダーク減算処理まで同時にこなしてくれます。
あいにく日本語には対応していませんが、合成方法の種類さえ押さえておけば英語が苦手でも難なく使えると思います。
因みに合成方式は「Lighten:比較明」「Gap Filling:光跡のスムージング調整可能な比較明」など7種ありますが、「Average:平均」もあるので追尾撮影写真のコンポジットにも便利です。
なおプラットフォームはMac、Windows、Linuxに対応しています。

10月9日、淡い流星を捕らえた唯一の写真。
全924枚を豪快に比較明合成(やり過ぎw)。下部の光跡が途切れ加減なのは雲の影響です。


【活用その3:コンポジットで美しい星野写真に】
デジタルでの長時間露光写真の場合、低い感度で何十分も掛けて渾身の1枚を撮影するよりも、多少感度を上げつつ数分単位で何枚も追尾撮影しておき、それをコンポジットした方が美しい仕上がりが期待出来ます。
かなりの高感度で撮影した写真でも、枚数が多ければその分ノイズ低減効果も得られますので、追尾撮影のボツ写真はこの方法で有効に活かしてみてはいかがでしょうか?

ノイズ低減には「加算平均合成」が有効ですが、同時にこれには動いている物の写りを弱める効果もあり、例えば何枚かに雲や飛行機、人工衛星が写り込んでしまっていても何十枚と重ねることでそれらの存在を弱めることが出来ます。
方法はいたって簡単で、上記のStartStaXなら「Average」で合成すればOK。Photoshopを使用する場合は、50%の透過率で何枚もレイヤーに被せていけば良いワケです。

ISO1600/20秒露光。ちょっと雲が多い状況でしたが...
30枚を加算平均合成。雲や人工衛星などは薄れ、ざらつき感も弱まります。
この処理を行うことでノイズ低減と共にグラデーションも自然に近くなるため、JPEG画像でも十分な編集に耐えうるものになりますので、その後の補正や編集を考えてもかなり有用な処理方法です。

上記画像を使用し、同じエディットを施した様子。右がオリジナル、左が加算平均合成画像。

2012年10月7日日曜日

流星撮影のススメ

いよいよ秋の流星シーズン突入ですが、ちょうど本日辺りから11日頃にかけてりゅう座流星群が活発化。以前にも書いたとおり周期的には昨年が大発生の年でしたが、今年も十分可能性があるとのことです。
ピークは明晩8時頃との予想ですが、幸い夜半まで月も出て来ませんし、放射点も高高度で天の川も存分に楽しめる時間帯ということで、天候が良ければ好条件で楽しめそうです。
数秒間にわたってユラユラゆっくりと流れる微光流星が多いので、じっくり願い事が出来ますよ!!

また来週から再来週にかけては月も痩せる時期なので、今月中長期的に活発化するオリオン座流星群も好条件で楽しめそうだし、今月中旬の晴れた夜には撮影に出掛けてみようと大いに画策してます。
数はそこそこも派手な火球の多いオリオン座流星群ですが、明るい火球ならF3.5クラスの標準レンズやコンデジでも、高感度で数秒程度の長秒露光可能なら十分撮影出来るので挑戦してみてはどうでしょうか?


せっかくなので流星の撮影方法について触れてみましょうか。
ここではデジタルカメラ使用を前提として話を進めます。

【準備するもの】
基本として三脚とデジカメ。もちろんデジイチがベターですが、コンデジならまずマニュアルフォーカス可能で、高感度で最低でも5秒以上、願わくば15秒程度は露光できるものが望ましいです。また出来るだけ明るいレンズを有していることも有利な条件です。
撮影補助アイテムとしてリモコンレリーズ、赤外線リモコン、ケーブルレリーズのいずれかも必須ですが、こういったモノが用意できない場合は、タイマー撮影機能を使いブレが生じないよう注意して下さい。
もし追尾撮影したい場合はポータブル赤道儀を用意しましょう。

【画角について】
広角であればあるほど流星を捕らえられる可能性は増えますので、手始めには出来るだけ広角のレンズ、コンデジならズームのワイド端(24〜28mm相当)での撮影をお勧めします。
もし迫力ある流星を撮影したいというのなら40〜50mm(APS-Cなら25〜35mm)くらいの焦点距離が適当かと思いますが、もちろん画角が狭まるほど流星を捕らえられる確率は下がりますので、この場合は複数台用意した方が失敗が少ないと思います。

【設定感度と露光時間】
環境や光害の影響にも依りますが、目安としては絞り値F2.8辺りを境にそれ以下の明るいレンズならISO800、暗いレンズならISO1600かそれ以上に設定し、10〜15秒程度の露光時間がちょうど良いと思います。
もし星空もしっかりと描写したければ30秒程度露光しても良いでしょう。ただし、固定撮影ではそれなりに星像も流れてしまいますし、あまり感度を上げすぎて全体的に明るさが増しすぎると微光流星は埋もれて消えてしまうので、その辺の兼ね合いを考えつつ空の状況で感度や露光時間を決めて下さい。

【フォーカスの合わせ方】
星空を撮影する場合は必ずマニュアルフォーカスで無限遠に合わせます。オートフォーカスでは通常星空にピントは合いません。
合わせ方のコツとしては、デジイチならまずファインダーを覗きながらカメラを明るい恒星に向けて固定し、ライブビューで拡大表示して星像が最も小さくなるようにフォーカスリングを微調整してください。
ミラーレス機やコンデジの場合も同様ですが、電子ビューファインダー(EVF)では星像を捕らえにくい上にバックライトが明るいため目が眩んでしまうので、EVFの使用はなるべく避け、外付けの光学ファインダーを使用するか、そういったオプションがなければLCDモニターのみで合わせるようにした方が良いです。

【撮影方向】
カメラを向ける方向については、どこに流れていくか分からないのでテキトーでOK。後は運次第です。
個人的には、カメラ一台の場合は広角でおおよそ放射点方向に向ける場合が多いですが、月が出ている場合、月光の影響の少ない方が長時間露光も出来ますし流星の写りもハッキリしますので、なるべく月に背を向けるというのが基本です。
放射点にほど近い馴染みのある星座の方向や、もし軌跡の長い流星が撮りたければ、放射点より45〜90度ほどずらした方向へ、画角の長い対角が放射点からの直線上になるように向けておくのが良いでしょう。
方向が決まったらいよいよ撮影開始。ひたすら連写しまくってください。

【連写の方法】
連写のやり方にもいろいろありますが、デジイチならリモコンレリーズを接続し、連写モードに設定してあとはレリーズロックしておけばカメラの連写限界枚数までザクザク撮影してくれます。

リモコンレリーズを使用できないコンデジやミラーレス機の場合は対策が必要です。
もしインターバル撮影機能を装備していれば、撮影の度に多少のブランクが入ってしまいますが、これを活用するのも良いでしょう。
昔ながらの、いわゆるケーブルレリーズ でも対応可能ですが、特にコンデジは連写できる限界枚数が少ないので頻繁に押し直す必要がありますし、何と言っても手が疲れます。。

また赤外リモコンに対応したデジイチやミラーレス機は、手動でリモコン撮影という手もありますが、ここで便利なのがマルチインターバルタイマリモコンキットです。

ケーブルリモコン非対応のデジイチ/ミラーレス機には必須の便利アイテム。

これは一定間隔で発信が行えるという便利な赤外線リモコンですが、デジイチメーカーの多くの機種に対応しており、1〜40秒までのインターバル設定が可能です。
一時期は完成品も販売されていましたが、現在キット売りのみなのでハンダ付け工作が必要ではありますが、最低限のハンダ工作工具があれば素人でも小一時間で製作可能です。

これを使う場合はカメラ本体側で露光時間を設定しておき、インターバルは最小の1秒設定で使用すれば最短間隔で連続撮影が可能です。

ただ、素のまま作ってもご覧の通りの形状で結構扱いにくかったりしますので、市販のフレキシブルLEDライト などを加工して発光部をアーム状に伸ばしたり、設置固定しやすいよう自作加工して使用するのがオススメです。
因みに個人的には、長時間露光も出来るようにインターバルタイマーリモコンを接続してインターバル制御出来るよう改造して使ってたりします。


ちょっと長くなりましたがこんなところでしょうか。
まぁ流星雨にでもなれば話は別なのですが、流星撮影では100枚撮って1〜2枚も写っていれば御の字といったところで、ほとんどの写真はボツってしまいます。
次回は、そんな無駄になってしまった連続写真の巧い活用方法でも綴ってみようと思います。