Auto Link Maker

2012年11月4日日曜日

マルチインターバルタイマリモコンでもっと長時間インターバルを実現する改造

多彩なカメラに対応し、特にミラーレス機愛用者には御用達とも言える便利ツール、マルチインターバルタイマリモコン (以下「MITR2」と記載)ですが、使い勝手を考えながらいろいろ改造して使用しておられる方も多いようですね。
もちろんウチでもスタンダードに発光部をアームで伸ばしてみたり、装着しやすいように工夫してたりしますが、他では見掛けない加工もしているのでちょっと紹介してみたいと思います。



このアイテムは1〜10秒まで1秒刻み、15〜40秒まで5秒刻みの16段階でインターバルを設定できる赤外線レリーズリモコンですが、残念なことにそれ以上の秒数に設定することが出来ないので、分単位で露光したい星空撮影にはちょっと使い物にはならないんですよね...
そこでウチでは、別のインターバルタイマーリモコンで制御することでより長時間露光が出来るよう改造して使用してます。

見た目はちょっと無骨ですが、発光部はアーム状にし、クランプでカメラ脇などにも固定可能。そして白い箱からケーブルが伸びて別のインターバルタイマーリモコンに接続!?

この改造も理屈は簡単で、接続したリモコンから電源のON/OFFを制御しているだけです。なのでタイマー動作でも手動でレリーズボタンを押してももちろん制御可能です。
改造は、スイッチを噛ませている基板の裏からでもリード線をひっぱって、リモコン側のレリーズONで短絡する2本に接続されるように加工すれば良いだけです。



リモコン側には3本の線がありますが、全押し、半押し、グランドという構成で、レリーズボタン及びタイマーによって短絡(いくらか抵抗が出ます)するようになってます。
どれがどの線かはテスターで測れば分かりますが、もちろん接続するのは全押しとグランドですので、半押しでは短絡せず全押しのみで短絡する組み合わせを探してください。
もし半押しに繋ぐとタイマー動作の際1〜2秒ほど早くリモコン発信されてしまいます。

ちょっと汚いですが...改造済みリモコンの内部写真。構造はモノによって多少違うようですが、元々はこの3端子からラインが伸びています。
ウチでは、用途に応じて単体でも使えるようリモコン脱着可能なようにモジュラー仕様に改造してますが、CANON RS-60E3/PENTAX CS-205互換インターバルタイマーリモコンなら接続端子がオーディオ用マイクロステレオプラグなので、ジャックや変換ケーブルなども容易に入手出来ますし、リモコン側は無加工で使用することも可能です。
その他のモノは特殊なプラグ形状なんで対策もちょっと面倒臭いし、どうせ流用も出来なくなってしまうので、ハナから専用にRS-60E3/CS-205互換リモコンを入手した方が早いかもですね。


操作についてですが、赤外線リモコンの発信(というか電源)を制御するという関係上リモコンのインターバル設定方法は少々特殊になります。
まず基本的にはMITR2の設定を「0」(1秒)の状態に合わせ、スイッチは切っておきます。リモコン側で露光時間を1秒、またはもし連写したい場合は2秒に設定し、インターバル時間で必要な露光時間を設定することになります。

※誤差によってMITR2が早めに動作してしまい巧く連写できない場合もあるかも知れませんが、その場合はMITR2の設定を「1」(2秒)、リモコンの露光時間を3秒にすれば回避できると思います。

要するに露光時間を長く設定するとその間、MITR2が電源ON状態となるので、MITR2側の設定に従った通常動作を繰り返すワケです。
これを巧く複合的に利用すれば、例えば1分インターバルでのブラケット3連写(1秒間隔)みたいなことも可能です。

2012年11月3日土曜日

夜間のレンズ曇り対策

夜の冷え込みも厳しくなり、結露しやすい季節になりました。
ウチの辺りは湿度の高い地域というのもあり、暖かい季節でも野外での夜間撮影ではレンズ面への結露の懸念が絶えなかったりするのですが、どんな地域でも寒くなるにつれて結露もしやすくなるので対策は必要ですよね。
そんなワケで今日は、結露によるレンズ曇り対策方法について綴ってみます。


結露というのは、低温の物体に触れた空気が冷やされることで空気中の水分が凝縮され水滴となって付着する現象ですが、外気温よりわずかでもその物体の温度を高く維持出来れば結露は防止できます。

さてどうやってレンズを保温するか?ですが、天体専門店などで望遠鏡やカメラレンズにも対応出来る巻き付け式ヒーターも販売されていますが、簡単な材料で自作できるような代物だけに、少々ぼったくり気味な価格だったりするのがどうも許せないところで。。。
自作については後述するとして、先ずは手っ取り早く、巷に転がっている安価なアイテムを使った対応方法から。


【手軽な充電式カイロ】

個人的に最も手軽で手っ取り早いと思うのが、USB充電式カイロをレンズに縛り付ける方法です。
いろんな形状のモノがありますが、なるべく小振りで細めの板状のものがベターで、大振りのレンズなら下部に縛り付けるだけで十分な効果を発揮してくれます。
触ると結構温かく感じますが、発熱量は40℃程度と適度な感じです。
安いモノで1000円くらいからありますが、一般的なモノで少なくとも1.5〜2時間程度は動作しますし、最近ではより長時間動作可能な大容量の商品も出回っているようです。
小型のモノでiPod nanoくらいのサイズです。
縛り付け方法については保温性の高いモノで巻き付けるのがベターですが、発熱量も十分に高いのであまり神経質になる必要はないです。大概専用ケースが付属してきますので、それにゴム紐やマジックバンドなどを縫い付けたりしておけば容易に脱着も可能です。
因みにウチでは、近所の百均で見つけた腕に巻きつけるケータイホルダーを活用してますが、サイズもちょうど良い上に発泡素材で保温性も良好だし、中身(カイロ)も簡単に交換できるのでかなり重宝します。
ケータイホルダーを巻き付けてみた。間違ってケータイやiPod入れても温まりませんよw


【実は専用アイテム?ドリンクウォーマー】

巻き付け式のUSBドリンクウォーマー なるモノがありますが、大きめのレンズには打って付けの保温ツールで、ここまで理想的な形状だとレンズ用ヒーターとして作られたものではないか?とも思えるくらいな、ヒジョーに重宝する便利アイテムです。

発熱量は公称値38℃と謳ってますが、所有のモノを実測してみると最も高温の部分で43〜4℃まで上がるようで、USBモバイル電源(eneloop 2本)で1.5時間程度は動作するようです。
長時間使用の際はバッテリーに工夫しても良いですが、冷めたら電池交換で手軽に対応可能なので、eneloopを何本か用意しておいてチョコチョコ交換して使う方がずっと合理的だと個人的には思います。
AT-X 116 Pro DX Ⅱに巻き付けるとピッタリ。口径80mmくらいまで対応出来そうです。


【小型レンズには自作ヒーター】

大振りなレンズには上記のような方法で対応出来ますが、薄型レンズなどには大きすぎて巧く取り付けにくいので、ここはやはり出来るだけ安価に済ませるためにもヒーターを自作して対応しましょう。

巷でもいろんな方が自作ヒーターを紹介されておられますが、一晩中持つような12V仕様のヒーターばかりみたいですね。
個人的には上記アイテムとも合理的に併用できるよう、USBモバイル電源(5V)仕様の省電力ヒーターを自作して使用してます。
全貌はこんな感じの代物。電源は百均のUSB電池BOXでもOK。中身は別途用意しましょうね。
製作に使用したモノはニクロム線(φ0.26mm)と熱収縮チューブ(ニクロム線を絶縁するための極細のものと、USBケーブルまで収まる太めのものを2種用意)、USBケーブルをぶった切った片割れ(Aタイプコネクタ)、あとレンズに巻き付ける際の取り回しを考えて圧着式の小さなコネクターで切り離せるようにしてあります。
ここではニクロム線絶縁に収縮チューブを使用しましたが、1φ以下の細いシリコンガラスチューブがあればその方が電熱線らしくなって格好良いかもです。

狙いは人肌程度の熱量から40℃未満を想定。しかし、5Vでどれくらいの長さにすればその発熱量が得られるのかさっぱり...で、ちょっと調べてみると400mAでヒーターをこしらえている例があったので、それくらいがちょうど良いのかなぁ?と安易に思いつつ抵抗値を算出。
5V÷0.4A=12.5Ωってことかぁ?
買ってきたニクロム線の抵抗を実測してみると、1mで約24Ω(いくらか誤差があると思います)。ってことは半分程の50cm強で良いじゃないか?ってことで55cmほどでカット。
これで実際に5V通して温度を計測してみたところ、35〜6℃とまさに狙い通りだったので万事OK!!
動作時間は、約10℃の環境下でeneloop 2本で3時間ほどと結構持ちは良いです。1〜2℃の違いでも結構持ちは変わってくる感じですね。

因みにこれでNEXの標準レンズに3周弱の長さですが、もっと長めが良ければもう少し太いニクロム線を使えば抵抗値も下がるので長さが稼げるでしょう。
NEXのフィッシュアイコンバーターにマジックバンドで巻き付けてみた。
加工にはちょっと注意が必要ですが、まず、USBケーブルの構造はどれも一緒のようで、1ピン(赤いリード線)が5V、4ピン(黒いリード線)がグランドになっているのでこの2本を使用します。緑と白のリード線、シールドは短絡しないよう段差に切って逃がしておきましょう。
結局は抵抗を噛ませるだけの簡単な工作なので、極性は気にする必要なしデス。
あと困ったことにニクロム線にはハンダが乗らないので、リード線との接触部分を長めに取りつつ念入りによく捩り、リード線にハンダをたっぷり乗せてしっかりと固定しましょう。


これで冬場の夜間撮影もバッチシです!!
あとは自分自身の保温も忘れずに。