というか、ハナからろくな写真が撮れるとは思っていないので、いかに自力処理でキレイに仕上げるか?って話になるでしょう。
今回使用したのは、先日安価で入手したパナのLUMIX FZ150。いわゆるネオ一眼ってヤツです。
25mm相当/F2.8から600mm相当/F5.2のレンズを搭載しているので、広角と望遠と両方とも試してみました。
因みに、この機種も一応Panasonicさんお得意の「星空モード」なる機能も搭載しますが、最大60秒露光出来るのは良いものの低感度固定でその辺弄れないのが頭の痛いところで、このモードを使ってもせいぜい星座が認識できる程度で、到底まともには星空は撮れません。
そんなわけで今回は、当然ながらMモードで限界シャッター時間の15秒露光で挑戦です。
しかし流石に15秒では厳しいので、色落ち覚悟もISO3200(MAX)まで引き上げて撮影しました。
当然ながらRAWで記録しましたが、因みにこのRAW(各社各々のフォーマットがあります)というのが撮影したままの生データです。JPEGは大方必要な情報がそぎ落とされてしまっているうえに色深度が浅く、調整範囲が狭いので編集には向きません。
前置きが長くなりましたが、まずは今回の撮影でヴィーナスエンジン(パナの画像処理エンジン)が描き出したJPEG画像をご覧下さい。
24mm相当/F2.8/ISO3200/固定15秒露光のおうし座、オリオン座付近 |
高感度なだけにかなりざらついた写真にはなってますが、ほとんど星を捕らえられない「星空モード」より断然マシです。
600mm相当/F5.2/ISO3200/追尾15秒露光のM42、43付近 |
さてこれからが本題ですが、これらを複数枚撮ったRAW画像をコンポジット(合成)という手法でもっと見栄えの良い写真造りに挑戦です!!
コンポジットすることの利点はまず、複数に渡って同様の発色がある部分は強調される反面で、ノイズや発色の曖昧な部分が周囲に馴染むので全体的により自然な発色、グラデーションが得られることに尽きます。
この手法にもいくつかあるのですが、ここではやはり少しでも多くの星像をしっかり浮きだたせたいので、基本手法の一つ「比較明合成」で複数画像の明るい部分を残しながら重ねていく方法を取ってみました。
まず星景の方からですが、色情報がかなり乏しそうな雰囲気だったので思い切って10枚重ねてみました。
これは固定撮影だったので、画像を重ねる前に配置をしっかり直さなくてはなりません。
Photoshopにはこれを自動的にこなしてくれる機能があるのですが、これが意外に曲者で、なかなか意図通りに合わせてくれない厄介者なのですよ。
なもんで結局力業で、1枚1枚地道に画像を合わせ込みましたよ!!流石に10枚は疲れました。。。
因みに自力でやる方法ですが、元画像の上に載せた画像を「差の絶対値」や「減算」とかにして、自由変形で四隅をつまんで画像を歪ませて合わせていきます。
この時、下地の背景画像をサイズ変更で多少大きくしておくとアンカーポイントが画面からはみ出ることなくつまみやすいです。
あとは根気との勝負ですが、四隅を少しずつずらして確認しながら、全体像がしっかり重なっておおよそ真っ黒い画像になればOKです。
そうやって重ねていき、最終的に色調整したものがこちらです。
Photoshopで10枚比較明合成。色味調整したもの。露光合計150秒相当 |
多少は夜空っぽくなったでしょうか。比較明合成なのでシルエットが溶け込んじゃってますが、視認できる星も大分増えました。
枚数が多いので、コンポジットの利点を考えてノイズ処理は出来るだけほどほどに抑えたのですが、なかなか良い発色は得られませんね...
それでもわずかにオリオン座周辺の星雲が見えそうな雰囲気は出てきたかなぁ?ただの色むらかもだけど。
次にオリオン大星雲ですが、こちらも比較明合成です。
同じくPhotoshopで6枚比較明合成&色味調整後。露光合計90秒相当 |
元々色がハッキリ出ているせいか、意外とイイ感じッスね。
M42の星雲の中心部分なんか、JPEGでは周囲と同化して超巨星になってしまっていたトラペジウムも輪郭が見えてきたし(ホントは複数の星の集合体ですが)、全体的にも星雲らしい煙っぽさをちゃんと醸してます。
もうちょっと頑張れば左上のNGC1973散光星雲も浮かんできそうですね。
こんなに発色が良いなら、もしかしたらばら星雲あたりも写るのかなぁ?
600mm相当でF2.8実現のFZ200なら余裕なんだろうなぁ...
とまぁ手間暇を惜しまなければ、例えコンデジでもそこそこには星空の写真もイケそう?という感じですね。
ただし、RAWで保存できることが必須条件にはなるでしょうけど。
因みに、一般的にJPEGでしか保存出来ないデジカメが多いのですが、JPEGはカメラ内蔵の画像処理エンジンを通して整えられた圧縮画像で、決して撮ったままの画像ではないんですよね。
その辺考えると、レンズがどうだのセンサーがどうだとかって半ばどうでもいいような話で、結果が良ければ全て良しってことになっちゃうんじゃないか?なんて気もします。
ついでの話をすれば、RAW画像を自力処理して美しく加工された写真が邪道のようにも思われがちですが、画像処理エンジンだろうが元を辿れば人為的な処理プログラムに違いないし、如何ほどのアルゴリズムで動作しているのか知りませんが、機械的な判断に任せて処理をすれば最適なのか?という疑問も当然湧くわけで、それならむしろ自力で手間暇かけて、より美しく狙い通りに仕上げるべきなのでは?とも思えてきますけどね。
やはり人間画像処理エンジン、最強です!!w
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